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給気の大切さ・・・

だんだんと春の陽気になって参りましたが、夜はまだまだ冷え込む今日この頃。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。

本日は薪ストーブと「給気」の関係の大切さをスタッフYが書かせて頂きます。

薪ストーブの給気口

上の写真は弊社が既存宅への後付け工事の際に設置している開閉式の給気口です。
 

ガスや灯油ストーブのイメージから「換気じゃなくて給気?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、薪ストーブにとっては給気がとても大事なのです。

現在の住宅は「エコ=気密性・断熱性を高くして空調のエネルギー効率を上げる」というコンセプトで造られていますし、おまけにシックハウスを解消するために24時間換気設備の設置も義務化されています。
 

24時間換気は換気扇によって絶えず強制的に排気されている状態ですから、室内は負圧になって、煙突が給気口の役目をしてしまい室内に煙が逆流して来てしまうのです。

薪ストーブの排気は、煙突が生み出す暖かい空気の自然の上昇気流(ドラフト)によるものなので、特に着火直後はまだその力は弱く、室内が負圧だと排気が弱くて上手く燃えなかったり、煙が逆流してきたりします。
 

昔の気密性の低い住宅であれば、隙間風がどこからか入ってくるので、そんなこともないのかもしれませんが、今の住宅ではそうはいきませんね。

ですから、薪ストーブを設置する場合は必ず本体近くに給気口を設けたり、外気導入という直接屋外の空気をストーブに取り込む設備を付けたりして、使用する際は新鮮な空気が取り入れられるようにしましょう。
 

薪ストーブと給気口

機種によって給気の取入口の位置は違うので、そのストーブに合わせた場所に
給気口を付けますが、写真のように本体の背面に設置することが多いです。
ストーブのすぐ近くに設けるので、熱に弱いプラスチックなどではなくステンレス製です。
 

今年の薪ストーブシーズンも残りわずかとなりました。安全な使用で快適な薪ストーブライフを満喫して下さい。

次回もお楽しみに!!

燃費と良い燃焼

この週末はショールームでも火を入れて、ついに薪ストーブの季節到来を感じました。
とはいっても、来週はまた30度近くまで気温が上がるとか。。。
本格的なシーズンインはまだ少し先になりそうですね。

 
でも、やはり気温がぐっと下がり始めた途端。
まだ煙突掃除やメンテナンスをされていないお客様からたくさんのご連絡を頂くようになりました。
本当に有り難いことに今月はもはや予定はパンパンな状態で、メンテナンスだけで20軒以上。
ストーブや煙突の設置工事もたくさん予定させて頂いてます。

 
そんなわけで、連日メンテナンスにお伺いしていますが、やはり気になるのはススの付き具合。
煙突の中やストーブの状態を見れば、どんな薪を焚いていたのかとか、
どんな焚き方をしたのか、ある程度は分かってしまいます。

湿った薪を焚くことがあって、でも燃焼温度は上がっているとき。
煙突の中

薪が湿っていて、温度も上がっていないダブルパンチ。
角トップの中

このくらいなら合格の範囲でしょうか。
煙突の中のスス

角トップの中がこれだとちょっと。。。
角トップの天板

 
気が付いたことはお客様とお話しして良くなる方法をご説明させてもらっています。
その中で特に思うのは、良い燃焼と燃費の両立はなかなか難しいということ。

 
触媒のストーブでも、クリーンバーンのストーブでも、煙が少ない良い燃焼の大前提は、1次燃焼の状況が良好なこと。
2次燃焼で処理できる煙の量ってやっぱり限界があるんです。
燃費を良くしようと酸素の供給を減らすと、煙はより多く出るので二次燃焼でも処理しきれなくなってしまいます。

さらに給気を絞るタイミングが早すぎたりすると、もう大変。
二次燃焼に必要な熱も足りず、余計に煙が、タールが、たくさん発生します。
それに暖かくもならないですし。

 
燃費を良くしようと給気を絞るのは、1次燃焼がしっかり出来上がってからにしましょう。
よく言われる「熾火」がしっかりとできることが大事です。

薪の量と、酸素の量と、熱の量。
この3つがバランスよく与えてあげましょう。
ストーブが燃えている様子をよく観察すると、どんな塩梅がベストなのか、分かってくるものです。

頼りになるのは温度計や取扱説明書ではなくて、ストーブとの会話ですよ。
きっとそこに薪ストーブの楽しさの一つがあると思うですよね。

 
薪ストーブ専門店 東京ストーブ
TOKYO STOVE SUPPLY

9月 29, 2013 - 煙突, 薪ストーブ    No Comments

ピキャンオーブンって面白い。

ようやく薪ストーブを焚いても許される陽気になりつつありますね。
でももう一息、待ってみたらもっといい感じになりそうです。

やっぱり寒い寒い日に、外から帰ってきた時の薪ストーブの暖かさといったら、
もうそれだけで一日幸せな気持ちになれるくらい。
「ぬくもり」という表現がすごくピッタリなんだなと、改めて実感することができますね。

寒いからこそ感じられる、暖かさの喜び。
それが薪ストーブだよな、と思う今日この頃です。

 
なんて良いながら、日が沈んで気温が下がってくるともう我慢できなかったりもします。
そんなわけで、実験がてら昨日はピキャンオーブンを焚いてしまいました。

ピキャンオーブン
 
ピキャンオーブンというと「燃費が悪い」とか「鋼板製だから・・・」とかいうイメージが
ついて回りますが、意外とそうでも無いんだなと。
昨日の夜、9時頃に最後の薪を足して、今朝来ても少し熾きが残っていましたよ。
ピキャンオーブン_1

その時の炉内はこんな感じ。
ピキャンオーブン_3

その時の天板の温度がこちら。
ピキャンオーブン_2

うちのショールームみたいに気密も断熱も良くない家は別にしても、
現代の住宅であれば、朝でもまだ暖かさの感じられる温度です。

とはいえ、これが出来るのはショールームの煙突が5mを切る位の短めだからでしょうね。
2階建てでもっとドラフトが効いてくるお家だと、厳しいかなと思います。

 
そして、鋼板製ならではの立ち上がりの早さはとても魅力的なので、その点もご紹介しましょう。
ピキャンオーブンならではの着火方法です。

1.まずは奥に中割り(5cmくらい)の薪を1本横に入れます。
ピキャンオーブン_4

2.その薪に立て掛けるように2本の太薪(10cmくらい)を縦にならべて、真ん中に道を作ります。
ピキャンオーブン_5

3.そしてその道にフタをするように中薪を並べます。この時、炉の奥の壁にはくっつけずに少し隙間を開けます。
ピキャンオーブン_6

4.道の入り口に割り箸2本くらいと着火剤をセットします。
ピキャンオーブン_7

5.そして着火!!!!
ピキャンオーブン_8

6.その時の給気口のダイヤルは全開です!(2cm以上開けてます)
ピキャンオーブン_9

これはかなりオススメの着火方法です。
(自分で発見した風に書いてますが、以前お客様に教えてもらった方法なんですけどね!)

割り箸がたったの2本と着火剤だけで、いきなり太い薪に火が付くだけでなく、
着火直後から煙も非常に少ないです。
焚きつけを作るのが面倒な人や、煙に悩んでいる方、是非試してみてください。

 
ちなみに着火から3分後の様子がこちら。
ピキャンオーブン_10

8分後には天板温度が250度を超えました。
もうお湯が沸かせちゃいますね!
ピキャンオーブン_11ピキャンオーブン_12

それからさらに5分。
天板は350度を超えて、ダンパーも閉めてしまいました。
それまで奥に向かって流れていた炎が、手前に回るようになって本格的な燃焼がスタートします。
ピキャンオーブン_13ピキャンオーブン_14

着火から20分後には給気を絞って美しい2次燃焼も。
ピキャンオーブン_15

 
これだけ急激な着火は鋳物のストーブだと出来ないですし、ドアの真ん中に給気があるからこそ
可能な薪の組み方なので、これは鋼板製のピキャンならではの着火方法と言えます。

問題はピキャンオーブンの炉は狭いので、薪を短く作らないといけないことですね。
25cmくらいだと使い勝手が良いと思いますが、市販の薪ではなかなか売っていないサイズです。
頑張って作るのが一番かなと思います。

 
そんなわけで、たまたま焚いたピキャンオーブンが面白くてご紹介してきました。
ピキャンオーブンは特に特徴的なストーブではありますけど、他のストーブにも
そのストーブの良さ・性能を引き出す焚き方ってやっぱりあるんですよね。

薪のくべ方とか、給気、温度、煙突、色々なバランスで薪ストーブの燃焼は成り立っているわけです。
せっかくなので、今後もそんなお話をブログで書いていけたらなと思っています。

もちろんお店に来ていただければ、ピキャンに限らず他のストーブの事もしっかりご説明させて頂きますし、
事前にご予約頂ければ、実際に火を入れながら生解説もしちゃいますよ!

 
最後に、I様。素晴らしい着火方法をありがとうございました!

 
薪ストーブ専門店 東京ストーブ
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