煙突と薪ストーブの理論
薪ストーブと煙突の関係性はとても重要です。
ということは、今ではかなり認知されてきているのではないでしょうか?
今日は煙突の働きについて、そこで何が起きているのか?、理論的にはどうなの?ということに注目してみたいと思います。
というよりも、むしろ、個人的に興味があるので色々考えてみました。
興味の無い方には全く面白味のないブログかもしれませんが、どうぞお付き合いください。
煙突の役目は「ドラフト」と言われる、「煙を排気する上昇気流」を発生させることです。
ドラフトが発生することで、高機能な二次燃焼を備えた密閉型の薪ストーブでも、ところてん方式に薪を燃焼する為の「酸素」を取り入れることができます。
「排気量」=「給気量」
なので、ドラフトによって排気されなければ給気もされず、薪ストーブが燃えることはできないんですね。
さて、「ドラフト」の大切さが分かったところで、その仕組みに目を移してみましょう。
ドラフトが発生する原因は「煙突効果」という自然現象です。
その原理はまたの機会に触れるとして、数式で書くと下のようになります(なるそうです)。
給気速度Qというのは1秒間の給気量を表しています。
つまりはドラフトの強さを表している、と言えると思います。
で、この式を見ると、
・煙突の径を大きくするとドラフトが強くなる
・煙突の高さを高くするとドラフトが強くなる
・煙突内部の温度を上げるとドラフトが強くなる
・外部温度が下がるとドラフトが強くなる
こんなことがわかりますね。
どれも薪ストーブ屋さんの中では良く知られていることですが、こうやって式に現れると面白いですね。
そして、この式を使って、
・煙突の径が変わると、どのくらいドラフトが変化するか
・煙突の高さが変わると、どのくらいドラフトが変化するか
ということを計算してみます。
煙突を1m伸ばすと、理論上では大体10%くらいドラフトが強くなるんですね。
実感としてはもっと変化があるように思っていたので、少し意外です。
それと煙突径による変化は大きいです。
150mmというのは東京ストーブで扱っている薪ストーブの一般的な煙突径です。
200mmは大型の薪ストーブや開放型の暖炉なんかで使います。
100mmはホームセンターなどでも売っている細い煙突ですね。
100mmの煙突だと、150mmの煙突の半分以下のドラフトしか得られないんですね。
そして200mmにすると8割弱もドラフトが増すとは。。。
単純ですが、なんだか興味深い結果です。
ちなみに、煙突の径は大きくなりすぎると排気が拡散して冷却されるので、逆にドラフトが低下することにもなります。
この辺のバランスは難しいですが、一般的な薪ストーブと煙突の組み合わせであれば、それほど気にする必要も無いですね。
実は、まだまだたくさん計算したのですが、長くなったのでまた続きを書きます。
それでは今日はこのへんで。