ピキャンオーブンって面白い。
ようやく薪ストーブを焚いても許される陽気になりつつありますね。
でももう一息、待ってみたらもっといい感じになりそうです。
やっぱり寒い寒い日に、外から帰ってきた時の薪ストーブの暖かさといったら、
もうそれだけで一日幸せな気持ちになれるくらい。
「ぬくもり」という表現がすごくピッタリなんだなと、改めて実感することができますね。
寒いからこそ感じられる、暖かさの喜び。
それが薪ストーブだよな、と思う今日この頃です。
なんて良いながら、日が沈んで気温が下がってくるともう我慢できなかったりもします。
そんなわけで、実験がてら昨日はピキャンオーブンを焚いてしまいました。
ピキャンオーブンというと「燃費が悪い」とか「鋼板製だから・・・」とかいうイメージが
ついて回りますが、意外とそうでも無いんだなと。
昨日の夜、9時頃に最後の薪を足して、今朝来ても少し熾きが残っていましたよ。
うちのショールームみたいに気密も断熱も良くない家は別にしても、
現代の住宅であれば、朝でもまだ暖かさの感じられる温度です。
とはいえ、これが出来るのはショールームの煙突が5mを切る位の短めだからでしょうね。
2階建てでもっとドラフトが効いてくるお家だと、厳しいかなと思います。
そして、鋼板製ならではの立ち上がりの早さはとても魅力的なので、その点もご紹介しましょう。
ピキャンオーブンならではの着火方法です。
1.まずは奥に中割り(5cmくらい)の薪を1本横に入れます。
2.その薪に立て掛けるように2本の太薪(10cmくらい)を縦にならべて、真ん中に道を作ります。
3.そしてその道にフタをするように中薪を並べます。この時、炉の奥の壁にはくっつけずに少し隙間を開けます。
6.その時の給気口のダイヤルは全開です!(2cm以上開けてます)
これはかなりオススメの着火方法です。
(自分で発見した風に書いてますが、以前お客様に教えてもらった方法なんですけどね!)
割り箸がたったの2本と着火剤だけで、いきなり太い薪に火が付くだけでなく、
着火直後から煙も非常に少ないです。
焚きつけを作るのが面倒な人や、煙に悩んでいる方、是非試してみてください。
8分後には天板温度が250度を超えました。
もうお湯が沸かせちゃいますね!
それからさらに5分。
天板は350度を超えて、ダンパーも閉めてしまいました。
それまで奥に向かって流れていた炎が、手前に回るようになって本格的な燃焼がスタートします。
これだけ急激な着火は鋳物のストーブだと出来ないですし、ドアの真ん中に給気があるからこそ
可能な薪の組み方なので、これは鋼板製のピキャンならではの着火方法と言えます。
問題はピキャンオーブンの炉は狭いので、薪を短く作らないといけないことですね。
25cmくらいだと使い勝手が良いと思いますが、市販の薪ではなかなか売っていないサイズです。
頑張って作るのが一番かなと思います。
そんなわけで、たまたま焚いたピキャンオーブンが面白くてご紹介してきました。
ピキャンオーブンは特に特徴的なストーブではありますけど、他のストーブにも
そのストーブの良さ・性能を引き出す焚き方ってやっぱりあるんですよね。
薪のくべ方とか、給気、温度、煙突、色々なバランスで薪ストーブの燃焼は成り立っているわけです。
せっかくなので、今後もそんなお話をブログで書いていけたらなと思っています。
もちろんお店に来ていただければ、ピキャンに限らず他のストーブの事もしっかりご説明させて頂きますし、
事前にご予約頂ければ、実際に火を入れながら生解説もしちゃいますよ!
最後に、I様。素晴らしい着火方法をありがとうございました!
薪ストーブ専門店 東京ストーブ
TOKYO STOVE SUPPLY