アンコールのメンテナンスについて
薪ストーブはメンテナンスのシーズンに入って、東京ストーブでも続々とメンテナンス・煙突掃除のご依頼を頂いています。
冬の間頑張ってくれたストーブをメンテナンスすることは、とても大切です。
メンテナンス一つで薪ストーブの寿命や性能が大きく変わるだけでなく、そのシーズンの使い方がどうだったのかチェックする役割もあるんです。
ということで、本日はバーモントキャスティングスのフラッグシップモデル、アンコールのメンテナンスポイントをお伝えしたいと思います。
色々と細かい部分も含めるとかなりのボリュームになりますので、今回は入門編です。
さて、まず最初にチェックするのは触媒です。
アンコールは一昨年に発売されたフレックスバーンも旧型の触媒機も、この触媒と燃焼ボックス内の掃除が大切です。
現行のフレックスバーンに代わってこの部分のメンテナンス性は劇的に向上しました。
ということで、早速始めましょう!
まずはこちらのアクセスパネル。
このアクセスパネルを外します。
アクセスパネルの上部が、燃焼ボックス側の突起に引っかかって止まっているだけなので、下側を手前に引いてあげると簡単に外すことができます。
外したアクセスパネルの内側がこちら。
排気経路で熱のかかる真ん中あたりは、表面が有れて色が変わっていますね。
もっとハードな使い方をしている場合だと、中の骨材(砂利のようなもの)が見えている場合もありますが、基本的には割れたりしなければ特に交換までは必要ありません。
アクセスパネルは落としたりぶつけたりして割ってしまうケースも多いので、気を付けましょう!
続いてアクセスパネルを外すとインナーパネルが見えてきます。
インナーパネルも乗っかっているだけなので、簡単に外れます。
インナーパネルを外すといよいよ触媒が現れます。
ここまでの所要時間、およそ10秒程度!
なんとも簡単ですよね。
触媒の部分は灰が上に積もっていたりすると排気が悪くなってしまうので、綺麗に掃除しましょう。
それともう一つ、ここでのチェックポイントは煙の排気経路です。
適切な燃焼が出来ていれば、写真のように排気経路は白~灰色の状態になります。
薪が湿っていたり、空気を絞り過ぎたり、ダンパーを閉めるタイミングが早すぎたりすると、ここが茶色や黒っぽくなったままになっているので、チェックしてみてください。
薪ストーブの中に残された痕跡から、ストーブの仕様具合までわかりますよ!
触媒を綺麗にしたら、今度は燃焼ボックス内の掃除です。
特に煙の排気経路にススや灰が溜まっていないか、チェックして掃除していきます。
下の写真の部分もよく灰が溜まっていたりします。
燃焼ボックス内の触媒の下の部分も灰や煤が溜まっていることがあります。
ここに灰と煤が溜まると排気が悪くなって、途端に調子が悪くなります。
ちなみに、背面側の白い部分は少し柔らかい素材なので、傷をつけないように気を付けましょう。
続いてはガスケットの交換です。
ガスケットは扉などに使用されている気密を取るためのパッキンです。
アンコールに限らず、ほとんどの薪ストーブで使用されていますね。
アンコールの場合は主に4カ所のガスケットを重点的にチェックします。
まずはドア周りのガスケット。
ガスケットが劣化していないか、「当たり具合」はどうかチェックします。
注意深く見て頂くと、3枚目の写真のガスケットは辺りがイマイチなことが分かります。
ガスケットが当たっていた溝跡が真ん中ではなく、上側に寄っていますね。
気密が取れていればそれほど問題ありませんが、大抵の場合はこうなっていると気密が取れません。
そんな時はまず紙を使って気密チェックです。
写真のように、紙を挟んで扉を閉じた状態で、紙を引っ張って抜けなければOKです。
これがスッと抜けてしまうようだと気密が良くない状態なので、ガスケットの交換や扉のヒンジ部分の調整が必要です。
これはアンコールに限らず、どんなストーブでも起こり得ることなので、是非チェックしてみてください。
またガスケットは写真のように白い状態になっていたら、そろそろ交換の目安です。
熱が加わったり何度も開閉することで徐々にガスケットも劣化していきます。
ガスケットの色の変わり具合もまた、ストーブの焚き具合のチェックになります。
余り温度があがらない箇所は白くならずに元の色だったりします。
アンコールの場合はドア周りの他にトップローディングを行うグリドル部分のファイバーロープ(ガスケット)も点検が必要です。
この部分はワイヤーが巻かれたガスケットになっています。
そして忘れがちなのがアッシュドアのガスケットです。
ここのガスケットが劣化してくると途端に燃費が悪くなったりします。
ちなみに、灰が溜まっているときにアッシュドアを開けると灰がこぼれて大変なことに!とならないように、写真のように新聞紙などをストーブの下と周囲に敷きましょう。
落ちた灰は新聞紙を丸めてそのまま捨ててしまえば楽ちんです!
残るチェックポイントはダンパー周りなのですが、大分長くなりましたので、こちらはまたの機会に!
東京ストーブではメンテナンスを承っておりますが、ご自分でされる際のご質問もお気軽にどうぞ!